後宮十二司

後宮十二司について

【表記】 後宮十二司
【読み】 こうきゅうじゅうにし

後宮十二司とは

律令体制下の官人(女官)機構で、後宮において存在した十二の職司のこと。

「後宮官員令(『大宝律令』)」、「後宮職員令(『養老律令』)」によって規定された機構。原型は「飛鳥浄御原令」に規定されていたと推測されている。これらの制度は唐令の「内外命婦職員令」を影響を受けて制定されたものと見られる。

後宮十二司とは、「内侍司」、「蔵司」、「書司」、「薬司」、「兵司」、「闡司」、「殿司」、「掃司」、「水司」、「膳司」、「酒司」、「縫司」のことである。

洗髪のため、半月に3日の休暇が与えられていた。

後宮十二司の職掌

後宮十二司の職掌する大部分は、中務省の各寮、及び、宮内省の各司に類似するものが多い。

平安時代の後宮十二司

平安宮では、この十二司のために、内裏に七殿五舎が置かれており、平安時代の最盛期には、1000人を超す女官が勤務していた。しかし、平安時代中期以降になると、後宮十二司の機構は崩壊して行く。

後宮十二司の年表

<朱鳥元(686)年>
9月27日、采女竺羅、天武天皇の殯宮において内命婦に関して誄する。

<大宝元(701)年>
8月3日、『大宝律令』制定。

<天平宝字元(757)年>
5月20日、『養老律令』施行。