大兄について
【表記】 | 大兄 |
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【読み】 | おおえ |
大兄とは
古代。
次期天皇候補の資格を有する皇子のこと。
後の「皇太子」に準ずるが、「皇太子」は唯一絶対無二の存在であるのに対し、「大兄」の称号を有する皇子は同時期に複数存在していたのが特徴である。この背景には皇子の母方の諸豪族の思惑や力関係が入り乱れていたことがある。
また、「大兄」の称号を有していても即位出来ず、称号のない皇子が即位したこともあった。推古天皇36(628)年、山背大兄王は「大兄」の称号を有していたものの、皇位継承争いでは田村皇子に破れ即位は叶わなかった。
『大化改新』以後、律令制国家へと展開していく過程で、唯一の正統な皇位継承者としての「皇太子」に、変貌を遂げることとなる。
大兄の年表
<継体天皇7(513)年>
12月8日、勾大兄皇子(後の安閑天皇)、立太子。
継体天皇の皇子である勾大兄皇子が「大兄」号の始まりとされる。