刑部省【司法の番人】

刑部省について

【表記】 刑部省
【読み】 ぎょうぶしょう

刑部省とは

令制八省のひとつ。

訴訟の事実審理、良賤に関する判断、及び、司法判断の困難な事案が諸官司や地方から送られて来た場合の審理等を担当。

刑部省の職掌

刑部卿の職掌は、訴訟事の事実関係を審理し、律令格式に照らした判決を下す等、国家の司法行政事務の統括である。

品官として、実務を受け持つ判事、解部が、設置されている点に刑部省の大きな特徴が見られる。因みに、天武天皇朝では、判事9名、解部100名が置かれていたと推測されている。

平安時代に入ると、平城天皇の官制改革で全ての解部は廃止され、宇多天皇の改革では、中判事が廃止されている。

さらに、平城天皇朝から嵯峨天皇朝にかけて、令外官の検非違使が置かれると、刑部省は、その実権を喪失する。

刑部省の系譜

刑部省は、司法を担当するだけに、その前身は、大化新制の頃に原型が見られ、天武天皇朝の刑官から令制の刑部省へと発展したものと見られる。

刑部省の組織

《官制略図》

    ┏神祇官
    ┃
 天皇━┫
    ┃
    ┣太政官┳中務省
    ┃   ┣式部省
    ┃   ┣治部省
    ┃   ┣民部省
    ┃   ┣兵部省
    ┃   ┣刑部省━━┳贓贖司
    ┃   ┃     ┗囚獄司
    ┃   ┃
    ┃   ┣大蔵省
    ┃   ┗宮内省
    ┣弾正台
    ┣衛門府
    ┣左衛士府
    ┣右衛士府
    ┣左兵衛府
    ┗右兵衛府

刑部省の役職

《役職》

卿(正四位下)1名

大輔(正五位下)1名
少輔(従五位下)1名

大丞(正六位下)2名
少丞(従六位上)2名

大録(正七位上)1名
少録(正八位上)2名

史生      10名

大判事(正五位下)2名
中判事(正六位下)4名
少判事(従六位下)4名
職掌は、卿等と共に律令格式に拠って判決を下すこと

大属(正七位下)2名
少属(正八位下)2名
職掌は、判決文の清書、記録

大解部(従七位下)10名
大解部(正八位下)20名
少解部(従八位下)30名
職掌は、訴訟審理の実務

省掌 2名
職掌は、庶務

使部 80名
直丁 6名

刑部省の年表

<大同3(808)年>
正月、解部が全廃される。

<寛平8(896)年>
9月、中判事が廃止される。

刑部省麾下の官庁

刑部省の下には、贓贖司・囚獄司が置かれた。