衛門府

衛門府について

【表記】 衛門府
【読み】 えもんふ(ゆげいのつかさ)

衛門府とは

令制八省のひとつ。

宮門及び宮城門の守衛、及び、出入りする官人の服装や行儀の監督等を担当。

平城天皇の官制改革で、左右衛士府に併合される。その数年後、嵯峨天皇の下で、大伴室屋の故事に倣い、左右衛士府の官名は左右衛門府に改称される。

「金吾」とも呼ばれた。

後に検非違使庁が設置され警察権を統括するようになると、中納言や参議が兼任することもあった。

衛門府の前身は、「靫負」と考えられる。

衛門府の組織

《官制略図》

    ┏神祇官
    ┃
 天皇━┫
    ┃
    ┣太政官┳中務省
    ┃   ┣式部省
    ┃   ┣治部省
    ┃   ┣民部省
    ┃   ┣兵部省
    ┃   ┣刑部省
    ┃   ┣大蔵省
    ┃   ┗宮内省
    ┃
    ┣弾正台
    ┣衛門府
    ┣左衛士府
    ┣右衛士府
    ┣左兵衛府
    ┗右兵衛府

衛門府の役職

《役職》

督(正五位上 後、従四位下)1名

佐(従五位下 後、従五位上)1名

大尉(従六位下)2名
少尉(正七位上)2名

大志(正八位下)2名
少志(従八位上)2名

医師(正八位下) 1名

門部 200名

物部 30名

使部 30名
直丁 4名

衛士
府生
番長 等

※ 官位は相当

衛門府の年表

<大同3(808)年>
正月20日、隼人司を廃止し衛門府と統合。
8月1日、衛門府は廃され左右衛士府に併合される。

<弘仁2(811)年>
11月28日、左右衛門府に改称。